VSD90SSショーケースにて展示中です。お気軽にお声かけください!
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製品レビュー
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ビクセン レデューサーV0.71xの
インプレッション
発売以来、優れた結像性能で注目を集めているビクセンのVSD90SS(以下「VSD90SS」)用の焦点距離を短縮する補正レンズ「レデューサーV0.71×」が2024年8月に発売されました。
早速、この新しいレデューサーをフィールドに持ち出し、VSD90SSを使って天体撮影を行いましたので、その様子をご紹介します。また、今回、VSD100F3.8(以下「VSD100」)用のレデューサーV0.79×との比較についても考察しました。
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Vixen(ビクセン) 鏡筒 VSD90SS鏡筒
天体撮影と眼視観望、それぞれの性能、使いやすさを追求!
凸レンズにSDレンズ2枚と高屈折率EDレンズ1枚、凹レンズには高性能ランタン系ガラスを採用した光学設計により、従来品VSD100F3.8 を上回る高レベルな収差補正を実現。写野中心から、35㎜判フルサイズの最周辺に至るまで、シャープで美しく均一な星像を得られます。さらに広い視野での星空観察から高倍率での惑星観察まで、眼視観望でも高い性能を発揮するフォトビジュアル鏡筒です。
主な特長
■SDレンズ2枚使用により高レベルな収差補正を実現。
VSD90SS鏡筒は、軸上色収差と非点収差を重点的に補正することを念頭に置いて光学設計しました。
凸レンズにSDレンズ2枚、高屈折率EDレンズ1枚を使用し、かつ凹レンズに新開発の高性能ランタン系ガラスを採用しています。特にSDレンズ2枚(ほぼ同径)を使用した点は、新たな試みです。
これにより、フォーカスやスケアリングのズレによる星像の色味の変化と星像の崩れを極めて高いレベルで押さえ、結像・周辺像ともにVSD100F3.8を上回る性能を得られました。
撮影時から画像処理まで、一貫して使いやすく安定した撮影結果が期待できます。
■光学性能スポットシミュレーション(VSD100F3.8 との比較)
■ラージフォーマット全面に鋭く美しく均一な星像
凸レンズにSDレンズ2枚と高屈折率EDレンズ1枚(5群5枚構成)を使用し、かつ凹レンズには新開発の高性能ランタン系ガラスを採用しています。これにより軸上色収差と非点収差を極限まで抑えることに成功。写野中心から35mm判フルサイズはもちろん、ラージフォーマット44×33mm(※)の最周辺に至るまでシャープで美しく均一な星像が得られます。※レデューサー併用時はフルサイズ36×24mmまで
■美しい星像が安定して得られる設計
VSD90SSでは、撮影スキルに関わらず満足できる撮影結果が安定して得られるよう、エアリーディスクに収まるピント範囲に余裕を持たせた設計をしています。これにより、ピント合わせの精度やスケアリングのズレが多少残っていても写野周辺における星像の色味変化や崩れが起こりにくくなっています。写野全面に渡りシャープで美しく均一な星像が常に得られ、撮影後の画像処理も含め安定した撮影結果が期待できます。
■周辺減光を大幅改善
従来製品VSD100F3.8は、母体となったPENTAX100SDUFⅡより受け継いだヘリコイドフォーカサーを採用することで後群のレンズ径に制約がありました。 VSD90SS鏡筒ではその制約を排除するため、フォーカサー部をラック&ピニオンに変更し、後群のレンズを大口径化しています。
これにより、VSD100F3.8よりも周辺減光が大幅改善。また口径食を低減し光学系(※)によるケラレがほぼ無く、光の回折により生じる輝星の非軸対称フレアも防いでいます。
口径食が少なく周辺光量が豊富なことは、写野周辺部で豊富な諧調を維持するとともに、画像処理時において周辺減光補正を容易にする効果も期待できます。
※撮影システムによっては、カメラボディやカメラマウント等によるケラレが発生する場合があります。
■VSD100F3.8 と断面比較
■周辺減光(VSD100F3.8 との比較)
●VSD90SSは最周辺でカメラマウント、またはフィルターホイールによるケラレ以外の光量低下はほとんど見られない。
●VSD100F3.8は最周辺でも70%前後の光量は確保できているが、画面中心付近から口径食による光量低下が見られる。
■低倍率から高倍率まで、眼視観望でも高い性能を発揮
低倍率かつ広視野での観望においては、像面が非常にフラットで、良質な接眼レンズと組み合わせることにより、シャープな像が視野全体に広がります。
さらに視野中心は、多波長ストレール強度96.7%を誇ります。高性能アポクロマートとして定評いただいているSD81SⅡの95.7%を上回る結像性能を持つため、惑星などの高倍率観望にも適しています。
■ファインダー台座取付面
ファインダー台座のほか、薄型アタッチメントプレート規格対応のクイックリリースホルダー(新製品)が装着可能。■豊かな諧調、写野全面の美しい星像
口径食が少ないことは周辺光量を豊富に保つとともに、光の回折により生じる輝星の非軸対称フレアを排除、写野周辺での星像崩れを防ぎます。また豊富な周辺光量により得られる豊かな諧調と併せて、美しい撮影結果が期待できます。※撮影システムによっては、カメラボディやカメラマウント等によるケラレが発生する場合があります。
■高解像、高コントラストを示すMTF特性図
MTFとは「Modulation Transfer Function」の略で、レンズ性能の評価指標を空間周波数特性で表したものです。レンズの解像力や撮影対象の持つコントラストを像面でどれだけ再現できるかを表します。グラフは水平軸に画像中央からの距離、垂直軸にコントラスト値(最大1)を設定しています。10本/mmの曲線(赤)が1に近いほどコントラストが高く、30本/mmの曲線(青)が1に近いほど解像力が高いことを示します。VSD90SSではコントラスト値がいずれも1に近い値を示しており、極めて優秀な光学系であることが分かります。
■作例による分析
(1)VSD90SS(2)VSD90SS+レデューサーV0.79x
●カメラ:ペンタックスK-1/ZWO ASI6200MM Pro(2"フィルターホイール使用)
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画像処理:● K-1: RAW現像(モノクロ)→加算平均コンポジット→4×4ソフトビニング→最大値で規格化
●ASI6200MM SharpCap3.2で画像取得(Gain0)→加算平均コンポジット→4×4ソフトビニング→最大値で規格化 ※画像上の数値は、画面中央部の光量を100とした時のAPS-C(23.5mm×15.7㎜),35mm判(25mmx24mm)の四隅での光量。
APS-Cのイメージサークル内は、ほぼ平坦な分布である。35㎜判フルサイズでは
レデューサー、及びカメラマウント/フィルターホイールによりけられが生じているが、
VSD100F3.8直焦点と同様の光量が確保できている。
■鏡筒部 | |
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対物レンズ形式 | 5群5枚 SDアポクロマート、ASコーティング |
有効径(D) | 90㎜ |
焦点距離(F) | 495mm(F5.5) |
集光力 | 肉眼の165倍 |
分解能 | 1.29秒 |
極限等級 | 11.5等 |
イメージサークル | Φ60㎜(ラージフォーマット44×33mmをカバー、最周辺光量約90%以上) |
対物側フィルター取付け | 取付け可(95㎜) |
■接眼部 | |
形式 | ラック&ピニオン |
ドローチューブ外径 | Φ87.5㎜ |
ネジ込み | M84P1 / M60P0.75 / M42P0.75(Tリング用ネジ) |
差し込み | 60.2㎜ / 50.8㎜ / 31.7㎜ |
フィルター取付け | 取付け可(58㎜) |
■サイズ・重さ | |
鏡筒長 | 約597㎜(※フード折返し時 約403㎜) |
鏡筒径 | Φ115㎜ |
重量 | 可(別売アクセサリー併用※2) |
サイズ・重量 | 約4.3㎏ |