しぶんぎ座流星群とカタリナ彗星

2013年10月に発見されていたカタリナ彗星が2015年11月16日に近日点を通過しました。次第に地球から遠ざかってゆく局面ですが2月上旬で6等級、中旬以降は7等級が予想され、まだまだ観測チャンスです。北の空に一晩中見える「周極星」となりましたのでいつでも見えます。スケジュールの合間にお楽しみください！

光度は現在およそ6等級程度と予測されますので眼視では見つけにくいものの、F値の明るい鏡筒を使った直焦点撮影では彗星の雄姿をしっかりと捉えることができます。
現在は太陽から遠ざかっていく局面ですので、彗星の進行後の軌跡のように現れる「ダストテイル」と、太陽の反対側に出る「イオンテイル」が大きく異なった方向に伸び、大変面白い写真が撮れます。（下記作例で右方向に大きく伸びているのが「イオンテイル」です）

◎彗星撮影にお勧めの鏡筒
タカハシ ε-130D鏡筒、　タカハシ FSQ-106ED鏡筒、　ビクセン VSD100F3.8鏡筒、コーワテレフォトTX07/10　など

◎撮影のコツ
なるべくFの明るい鏡筒を用い、尾の伸びる方向に余裕のある構図を取ったうえで、短時間露出で赤道儀による追尾（通常の恒星時追尾モード）撮影を行うのが良いでしょう。オートガイド撮影する場合は彗星核ではなく、付近の恒星を基準とすることで美しい星野写真となります。下記作例ではF3.8と明るいビクセンVSD100F3.8鏡筒（焦点距離380mm）をSXP赤道儀のPEC機能を活用して90秒露出したものを8コマコンポジットしています。

写真はカタリナ彗星(C/2013 US10) 2015年12月9日の様子です。
撮影：吉田隆行氏 (オリジナル画像は作者ホームページをご覧下さい。)

撮影光学系：ビクセン VSD100 F3.8鏡筒
撮影カメラ：ニコンD810A
赤道儀：ビクセンSXP赤道儀(PEC使用)
カメラの設定：ホワイトバランス色温度5700K、ISO1250、RAWモード
露出時間：90秒×8コマ
画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ7、PhotoshopCC 2015
撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺