タカハシ(高橋製作所) 赤道儀・架台 EM-200 TEMMA3 赤道儀
電装品のリニューアルとともに、5相モータの採用により高速で動作
新たな赤道儀Temma3は周辺機器との接続を電源インターフェイスに集約しており、電源インターフェイスを経由して赤道儀に電源を供給致します。 標準で無線LANを内蔵し、天文アプリSkySafari6に対応。 スマートフォンでの操作で自動導入が行えます。 また、有線接続はRS232CとUSBに対応。主な仕様
■赤道儀パネル
EM-200TEMMA3赤道儀は高トルク、低振動の5相モータを赤緯体に納めました。これによりなめらかな高速駆動を実現しています。
従来機では赤道儀パネルにあったインターフェイスや設定スイッチの機能をハンドコントローラーと電源インターフェイスに割り振ったため、赤道儀パネルはシンプルになりました。
TEMMA3の赤道儀パネルには、ハンドコントローラー、電源インターフェイス、オートガイダーを接続するコネクターがあります。
ハンドコントローラーと電源インターフェイスは、ワンタッチコネクタを採用した柔軟性のあるケーブルで接続します。
オートガイダーの端子はTemma2Zと同じRJ-12形状の端子です。
■ハンドコントローラー
ハンドコントローラーに液晶ディスプレイ(LCD)を組み込んだので、赤経・赤緯値の表示や設定項目の確認ができます。
従来機よりもお客様によってカスタマイズできる項目が数多くあり、使用環境に則して設定ができます。
TEMMA3はハンドコントローラーの操作で、ガイド速度、中速度設定、高速度設定、加減速時間、追尾速度、極望照明の照度などの設定ができ、現在の設定状況をLCDで確認できます。
従来機は高速と修正速度の2スピードの選択でしたが、TEMMA3 は中速を追加して3スピードとしました。加速の無い等速の中速は、手動では快適に導入できます。中速速度はハンドコントローラーから設定できます。
修正速度の設定はLCDで確認しながら対恒星時の1〜99%に設定ができるので、オートガイダーの調整に便利です。
ハンドコントローラーのボタンを押した方向に視野の星が動くように、修正ボタンを押した時に赤道儀の反応する方向を切り替えられるオペレーションモード機能はTEMMA3にも引き継いでいます。眼視ではボタンを押した方向と反応方向が合わせられるのは操作性の向上になります。
写真は起動時の状態です。
電源インターフェイスの左側にはパソコンと接続するためのUSB端子(USB2.0 Type-B)、RS232C端子(オス)、電源入力端子があります。 右側には赤道儀用電源スイッチ、赤道儀パネルと接続する端子、DC5V 0.5Aを出力するUSB端子があります。
電源を投入すると、赤道儀用電源スイッチの状態にかかわらず、無線LANとUSB出力端子が有効になります。
駆動する電源は、DC10.5V~24Vと幅を持たせた対応となっています。手配しやすいDC12V、電流を抑えられるDC24Vと状況に応じて選べます。電源入力端子は不用意に抜けないよう、ロック付きを採用しました。ここには従来のDCプラグも差し込めます。
■スマートフォンでワイヤレス導入
TEMMA3 は標準で無線LANを内蔵しました。日本語表示にも対応した天文アプリの SkySafari 6* を使って、スマートフォンの操作で自動導入が行えます。Wi-Fi接続できるWindowsパソコンは、仮想COMポートドライバをインストールし対応ソフトを使うことでワイヤレスで導入できます。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも自動導入ができ、高速で自動導入するEM-200TEMMA3赤道儀は観望会などでも快適に使えます。
*SkySafari 6 Plus と SkySafari 6 Pro で可能。SkySafari は Simulation Curriculum社のアプリです。
■USB と RS232C で有線接続
TEMMA3は周辺機器との接続を電源インターフェイスに集約しています。これまでのEMシリーズ赤道儀は赤道儀パネルの電源ジャックに電源を接続していましたが、TEMMA3は電源インターフェイスを経由して赤道儀に電源を供給します。電源インターフェイスは無線LANチップを内蔵していて、パソコンとは無線と有線のどちらでも接続できます。有線接続はRS232Cに加え、ご要望の多かったUSBでも接続できます。
■安全機能
◎ハードウエアリミットスイッチを標準装テレスコープウエストのポジションで子午線を過ぎて追尾していったとき、鏡筒が三脚に干渉するのを防止するため、恒星時駆動時に赤道儀パネルが水平より約10°傾くと、LCD画面に「Horizontal Limit」と表示し3つのLEDが点滅してモーターを停止します。恒星時駆動が停止しても座標は失いません。
復帰はハンドコントローラーか自動導入アプリの方向操作で行います。
この機能はOFFにも設定できます。
◎オーバーハングリミット機能
テレスコープイーストのポジションで地平線より下方に向かって追尾を続けないように、許容角度を超えると、LCD画面に「Overhanging」と表示し3つのLEDが点滅してモーターを停止します。
復帰はハンドコントローラーか自動導入アプリの方向操作で行います。
この機能はOFFにも設定できます。
●方位・高度座標を記憶して待機する機能があります。座標はEE-PROMに記憶するため、電源をOFF/ONしても座標を記憶しています。待機位置は天頂や水平方向など自由に設定できます。
起動は自動導入コマンドで行います。
●電源ケーブルは、ロック式DCプラグとシガープラグをペアにした専用のものが付属します。
●構成部品を黒からシルバーに変えて意匠変更を行っていますが、メカニカル部の基本仕様に変更はありません。
形式 | 2軸モーター内蔵、ドイツ式赤道儀 |
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赤経微動 | ウオームホイル全周微動 (減速比180:1) 5相ステッピングモーターによる電動駆動(手動は不可) 高速、中速、修正速度の3速切替 |
赤緯微動 | ウオームホイル全周微動(減速比180:1) 5相ステッピングモーターによる電動駆動(手動は不可) 高速、中速、修正速度の3速切替 |
方位微動 | ダブルスクリュー方式、可動範囲±15° |
傾斜角微動 | スクリュー式、可動範囲 高度0°~50° |
目盛環 | 赤経:最小目盛10分 赤緯:最小目盛2° |
ウエイト | 5kgが2個付属 |
駆動方式 | 両軸駆動、水晶発振制御、回転誤差±0.05%(対恒星時) 駆動周波数 約196pps |
最高速 | 赤経方向:恒星時の約800倍速 赤緯方向:約±12000秒角/sec |
補正駆動 | 赤経方向:0.01~1.99倍 赤緯方向:±0.1~14.85秒角/sec. ハンドコントローラーの操作で設定 |
PCインターフェイス | ・USB2.0 Type-B ・RS232C端子(オス) インターリンクケーブルでPCと接続 |
自動導入 | パソコンを接続することにより可能(要対応ソフト) SkySafari6 をインストールしたスマートフォンから無線で可能 |
PC用対応ソフト | ・テレスコープトレーサー2000 (タカハシ) ・ステラナビゲーターVer.11 (アストロアーツ) ・ステラショット2 (アストロアーツ) ・SUPER STAR V (Seeds Box) ・TheSkyX (Software Bisque) |
無線LAN | APモード、STAモードに対応 Wi-Fi機能搭載のWindowsパソコンは仮想COMポートで接続 |
安全機能 | ハードウエアリミットスイッチを標準搭載、オーバーハングリミット機能 |
待機機能 | 任意の位置で待機設定が可能 |
電源入力ジャック | 内径φ2.1mm 外径φ5.5mm ロック付き |
電源電圧 | DC 10.5V ~ 24V |
消費電流 | 最大60W |
外形寸法 / 質量 | 電源インターフェイス : 175 x 91 x 43 mm / 410g ハンドコントローラー : 78 x 126 x 28 mm / 170g |
搭載質量 | 約17kg |
質量 | 16.5kg |
オプション部品 |
○メタル三脚SE ○オートガイダーケーブルZ-S |
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