Vixen(ビクセン) 赤道儀・架台 SXD2赤道儀リミテッド
高性能な国産赤道儀をお求めやすいプライスで! SXD2赤道儀のヘッドをSXP赤道儀仕様に換装し、極望は別売オプションとしたKYOEI別注の限定お買い得モデルです!
確実に天体写真が撮れる赤道儀として天文ファンに愛されてきたビクセンSXP赤道儀は、2018年秋、より強化された2型(SXP2赤道儀)へとモデルチェンジし元々素晴らしいSXP赤道儀の性能はさらに昇華され盤石な製品となりました。その分、性能にふさわしいプライスタグが提げられています。
お求めやすい価格帯にある下位機種にはSXD2赤道儀が存在します。SXD2赤道儀も高性能な赤道儀ですがハイレベルユーザーの間では、鏡筒取り付け部が単純なボルト1本で固定する旧態依然としたアリミゾであること、SXPより赤緯の動きが渋くて鏡筒の前後重量バランスが取りずらいこと、が指摘されてきました。
そこで、KYOEIではSXD2赤道儀の筒受け部をSXP赤道儀用(ボールベアリング2個内蔵)に換装した KYOEI特別仕様「SXD2赤道儀リミテッド」 をご用意いたしました。機能面ではSXD2赤道儀での弱点を克服し、SXP赤道儀に迫る装備を実現しています。価格面ではKYOEI別注によりコストを削減し、極軸望遠鏡もオプションとすることで、ノーマルのSXD2赤道儀よりもお求めやすいプライスを実現しています。 ハイレベルユーザーの求める性能と、エントリーユーザーにもお求めやすい価格とを両立した、これまでのビクセン赤道儀の常識を超える一台です。
主な特長
- 適度なフリクションを持つ赤経回転部 [=SXD2仕様]
SXP赤道儀が15個すべてのベアリングにボールベアリングを用いるのに対して、SXD2赤道儀では赤経・赤緯の回転軸受及び筒受けヘッド部にはニードルベアリングを採用しています。鏡筒を搭載しない状態でクランプフリーにして両者の赤経の動きを比較すると、SXP赤道儀のほうが明らかにツルツルと軽く滑らかで、 SXD2赤道儀のほうは操作するのにすこしテンションをかけてやる必要があることに気づきます。しかし荷重をかけ負荷を与えた状態にしてもSXD2赤道儀の赤経部の動きはそこから更に重くなるわけではなく、適度なフリクションをもつ安定した使用感が続きます。このスタビリティは、時折風が吹きつけるようなハードなコンディション下ではむしろ好ましく感じられるほどです。
- M8ねじ止め式の筒受け部 [=SXP仕様]
筒受け部にビクセンアリミゾを標準装備するSXD2赤道儀では別途アリミゾ金具を購入する必要がなくて便利である反面、より大きなアリミゾを選択できない、アリガタの押さえ面がネジによる点接触となり脱着を繰り返すうちにアリガタ金具を痛めてしまう、といった弱点がありました。SXD2赤道儀リミテッドではSXP赤道儀と同じタカハシ互換のM8ネジ穴が開いた筒受け部を採用しており、サードパーティ製の高品質なアリミゾ金具をユーザーが自由に選択できます。ロスマンディなどの3インチ(75ミリ)やビクセンスタイルの45ミリのほか、アルカスイス規格の38ミリのクランプで運用することも可能です。 なお、このカスタマイズにより、SXD2赤道儀リミテッドはメーカー純正SXD2赤道儀に比べてすこし首が長く(筒受け部の高さが約11mm高く)なっています。カメラなどの搭載物が極軸体に干渉しにくくなるメリットと、同じウエイトでバランスできる積載量が減ってしまうデメリットとがあります。
- 大径ボールベアリングを2個内蔵した、強くて滑らかな赤緯回転部 [=SXP仕様]
ベテランの写真家の中には赤経のバランスをわざと崩すことでウオームホイールとウオームギアの歯面を密着させ、安定した追尾を狙うというテクニックを用いる方もいらっしゃいますが、一般的には赤道儀の赤経・赤緯は、どちらも重量をバランスさせて使用するものです。1個のニードルベアリングで回転するSXD2赤道儀の赤緯回転部は構造的にラジアル荷重に対して渋く、軽度のバランス崩れではクランプを開いてもストップしたままなため、鏡筒前後のバランスがあっているのかあっていないのか判りにくいことが問題でした。それに対しSXP赤道儀は赤緯回転部がクランプフリーで滑らかに回転するためバランス取りが非常に綿密に行えます。微妙な重量バランス調整が可能であれば赤道儀が持つ性能をより引き出すことができますのでこの滑らかな赤緯回転部は少なからず撮影結果の向上に寄与しています。そこでSXD2赤道儀リミテッドでは、専用設計した接続金物を介してこのSXP仕様の筒受け部をまるごと移植することに成功しました。赤緯回転部は外径52mmφの深溝ボールベアリング2個をリジッドに配置し高精度に組付けられていますので、滑らかなだけではなく剛性も向上しています。 このカスタマイズにより、SXD2赤道儀リミテッドが使用する総ベアリング数はノーマルモデルから1つ増えて、合計10個(ボールベアリング6個+ニードルベアリング4個)となりました。
- 極軸望遠鏡のない仕様 [=SXD2LTD別注レス仕様]
極軸望遠鏡は別売りのレス仕様とすることで多様化するユーザーの様々なニーズに対応します。極軸望遠鏡PF-LII(別売)、KYOEIオリジナル極軸望遠鏡SX用(別売)のほか、SX極軸望遠鏡(旧製品)をお持ちのお客様にもご対応します。Polemasterなど電子極軸望遠鏡を使用して光学極望は無しという選択肢もあります。 - 明視野照明内蔵 [=SXD2LTD特別仕様]
旧型SX極望を搭載したSXP赤道儀と同じ明視野照明を赤道儀本体に標準装備しています。STARBOOK TENコントローラから照度の調整が可能です(このメニューはPFL/PFLII極望標準装備の現行赤道儀に接続したSTARBOOK TENには現れないものです)ので、KYOEIオリジナルなど視野照明のない極軸望遠鏡でも快適にご使用になれます。 ※極軸望遠鏡PF-LII(極軸望遠鏡側に視野照明を内蔵)を使用する場合は、光量を最小にしてご使用ください。
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撮影用途での搭載荷重は、10kg程度までを推奨
メーカーではSXD2赤道儀は375kg・cmのモーメント荷重を搭載可能であると公表しており、不動点より25cmで約15kg、30cmで約12.5kgまで耐えられる計算になります。ビクセンが公表するこのスペックは眼視用として正しい能力を表しています。また撮影時には、その7割程度の荷重に抑えるのが成功のコツであることが多くのユーザーの経験則から知られています。(→赤道儀購入ガイド続編参照) SXD2赤道儀リミテッドにおいても、おおまかな目安として撮影用途には10kg以下の積載でご利用されることを推奨します。
下の図はメーカー純正SXD2赤道儀に付属のウエイト2つを使用した際に物理的にバランスが取れる荷重を示したものです。不動点より25cmで最大11.2kgがバランスすることがわかります。SXD2赤道儀リミテッドではSXP赤道儀の筒受け部を移植することで、ノーマルのSXD2赤道儀より約1.1cm首が長くなっています。さらにアリミゾ金具を装着することも加味して、2cmプラスの「不動点より27cm地点」の耐荷重を計算すると、バランスが取れる最大の重さは10.3kgとなり推奨荷重にほぼ一致します。
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おまけで眼視用に便利な延長ウェイトシャフト(協栄産業株式会社オリジナル仕様)つき
SXD2赤道儀リミテッドのウェイトシャフトを10cm延長して、さらに約2~3kg程度重い荷重をバランスさせることができます。こちらはぜひ眼視用途でご活用ください。この延長シャフトはウエイトシャフト先端のウエイト脱落防止ねじ取付部を利用して接続する構造で、そのネジ規格はM6という細いものです。暗闇で誤ってウエイトを蹴ってしまうなど強い力が加わると折れてしまう恐れがあります。恐れ入りますが安全に充分ご注意頂いたうえでご使用ください。機材の収納BOX内に忍ばせておけば、あと少しでバランスできなかった時、海外遠征で荷物を減らしたいとき、などの緊急用途としても便利にお使い頂けます。
<おまけ延長ウエイトシャフトの詳細> 全長:100mm、 材質:炭素鋼(S45C)、 表面処理:硬質クロムメッキ、 接続:M6ねじ
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付属の説明書について
SXD2赤道儀リミテッドの基本性能はSXD2赤道儀に準拠しており、本体付属の説明書はビクセン「SXD2赤道儀PFL」のものを共通使用しています。そのため本文中にPFL極軸望遠鏡の使用方法が掲載されていますが実際には付属しておりません。また筒受け部はビクセンアリミゾ一体型で記述されていますが、実際にはSXP赤道儀と同じタカハシ互換M8ねじ止め式です。アリガタをご使用になる際は別売のアリミゾ金具(DS75-20、DS45、SDS38など)をご使用ください。
赤経微動 | ウォームホイールによる全周微動、φ72mm・歯数180枚、材質:真鍮 | 赤緯微動 | ウォームホイールによる全周微動、φ72mm・歯数180枚、材質:真鍮 |
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ウォーム軸 | φ9mm・材質:真鍮 | ||
赤経軸(極軸) | φ40mm・材質:炭素鋼 | 赤緯軸 | φ35mm・材質:炭素鋼 |
ベアリング数 | 10個(ボールベアリングx6個、ニードルベアリング4個) | ウェイト軸 | φ20mm・本体収納式・ステンレス製 |
方位角範囲 | 微動:約±7°、ダブルスクリュー式:1回転約1.2° | ||
極軸傾斜角範囲 | 高度0~70°(微動範囲±15°)、目盛2°単位・3段階使用可 タンジェントスクリュー式微動ネジ付。1回転約0.8° |
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駆動 | パルスモーターによる電動駆動(マイクロステップ駆動 約250pps) | ||
自動導入・追尾装置 | STAR BOOK TENコントローラーによる自動導入・高精度追尾・最高約1000倍速(対恒星時) | ||
搭載可能重量 | 約1.3~15kg(最大モーメント荷重32.5~375kg・cm:不動点より25cmで約1.3~15kg) | ||
コントローラー接続端子 | D-SUB9PINオス | 電源端子 | DC12V EIAJ RC5320A Class4 |
電源・消費電流 | DC12V・0.45~2.2A(標準約10kg搭載時)・0.6~2.5A(約15kg搭載時:最大) | ||
大きさ | 343×360×128mm | 重さ | 約9.2kg(ウェイトを含まず) |
付属品 | ウェイト(1.9kg×1、3.7kg×1)/シガーソケットケーブル |
オプション(別売) | SXG-HAL130三脚/SXGハーフピラー/ピラー脚SXG-P85/ 電源(SG-1000SX、ACアダプター12V・3A) |
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★SXマルチクランプユニット(赤緯SXP化改造キット) | |
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既存SXシリーズユーザーへ向け、赤緯SXP化改造キット単体でも販売します! SX赤緯クランプユニットを搭載したSX赤道儀シリーズ(SXW、SXD、SX2、SX2-SB10、SXD2赤道儀)の筒受け部を、SXP赤道儀仕様にアップグレードできる改造キットです。 |