夏の観測ガイド
夏は天の川やその周辺に位置する星雲星団など、たくさんのメジャー天体を観測することができます。
星雲や星団なんて難しくてわからない、という入門者の方はまず「夏の大三角」(=デネブ・ベガ・アルタイル)を見つけることから始めてみましょう。主要な恒星が複数把握できるようになれば、それらの位置関係との対比で星座早見盤などを頼りに星雲や星団にたどり着くことができるようになります!
また、惑星観測から始めてみるというのも好手です。一番明るい星といえば「1等星」という言葉をイメージされる方も多いと思いますが、夏の大三角のデネブの明るさが約1等級であるのに対し、土星は約0等級、木星に至ってはマイナス2等級以上の明るさがありますので意外とすぐに見つけられます!(等級が1つ上がると約2.5倍明るくなります。)
「惑星を見たことがありますか?」 と質問すると多くの方がありませんとお答えになります。しかし、「あの明るい星は何だろう?」と思われた場合、ご覧になっている星が惑星であるケースはとても多いです。拡大して模様や輪っかを見れていないだけで、肉眼で見てピカッと光っているだけの土星や木星であればすでに何度もご覧になっている方は実はとても多いのです。
夏は気流の安定した夜が多く、高倍率に耐えるシーイングに恵まれ、惑星観測にも適しています。是非挑戦を!
夏の天の川は雄大です。夏の天の川は、地球から私たちの住む銀河系の中心部を眺めた姿です。
吉田隆行氏 「大台ケ原の天の川」 2017年
天体写真家の吉田隆行氏は、標高1600メートルの大台ケ原を往復3時間歩いてこの作品を撮影しました。低空にかかった淡い雲海で下界と隔離された原野の風景が天の川の光によって映し出され、雄大な天の川銀河の姿と相まって荘厳な印象を与えています。
星景写真の撮影のためにトレッキングする場合、カメラや三脚といっしょに担いで歩けるポータブル赤道儀を使用します。撮影チャンスを確実のものにするためには、小さくても高精度で信頼性の高いポータブル赤道儀をご選択ください。
流れ星! ペルセウス座流星群!
8月13日0:00の空 ステラナビゲーターVer.11で作成
8月12日~13日にかけてペルセウス座流星群の極大を迎えます。8月13日午前4時ごろにそのピークを迎えますが、前後1日程度はいつたくさん流れるかはわかりません。晴れのチャンスにはぜひ観測にチャレンジしてみてください!観望なら空を眺めるだけ!撮影ならポータブル赤道儀を使用して、カメラに広角レンズをセットするだけ!いずれも望遠鏡は不要です!
ヒント・・・赤道儀(購入ガイド)に搭載して数十秒から数分の露出時間でインターバル撮影を繰り返せば流星の映り込んだショットをたくさんGETできるチャンスが拡大します!→映り込んだショットを集めステライメージを使用してコンポジット処理をすれば流星群写真の出来上がりです。
放射点から離れた空で長く大きな流星が流れることもありますので、あまりペルセウス座の方角にこだわらず、お好きな領域を撮影しながら嬉しいゲスト(流星)が映り込む可能性に期待するのも楽しいでしょう。
吉田隆行氏 「ペルセウス二重星団と流星」
そして2021年の土星・木星は、やぎ座・みずがめ座周辺にあります。天体観測に興味があるけど、まずはお手軽に始めたいという方は、月や惑星の観望を楽しめる入門天体望遠鏡セットを手に入れて土星や木星の観測からスタートしてください。
人混みを避けて天体観測をお楽しみください!!