冬の天体観測ガイド
冬の夜空は1年を通して最も透明度に恵まれる時期にあたり、星雲星団など深宇宙の観測に適した季節です。低い気温も撮影派にとっては力強い味方です。デジタルカメラやCMOSカメラで撮影を行う際、星雲や星団の撮影には長時間の露出を行いますが、カメラは長時間露出すると発熱し、その熱の影響で画像のノイズが増大します。ところが冬は寒い外気がカメラの発熱を抑えてくれますので、夏に比べ、ノイズが少なくてクリアな画像を得やすいのです。
銀河中心部を見せる荘厳な夏の天の川も素晴らしい眺めですが、天空をまたぐ淡い冬の天の川の美しさはこれも筆舌に尽くしがたく、その周辺には見ごたえのある星雲や星団が数多く存在します。
星雲星団は大変淡く、楽しみ方は写真撮影か電子観望が主流となりますが、大型の対空双眼鏡や集光力のある望遠鏡を用いれば、二重星団やプレアデス星団、オリオン大星雲やアンドロメダ銀河などは、眼視でも十分に楽しむことができます。
ただし月惑星に関しては、冬の大気は乾燥していてその面では有利なのですが、上空に強い風が吹く気圧配置となる日が多く、高倍率を必要とする月惑星観望に不利なシーイングになることが多いことも知っておきましょう。
お好みの天体を、用途にあった機材を選択してして思う存分にお楽しみください!
ヒント→ 上記星図は2月15日午後9時ものです。月と惑星以外のすべての星の位置は、日時が1か月進めば、観測時刻を2時間早めることでほぼ同じになります。
◎恒星の位置 : 12月15日25時 ≒ 1月15日23時 ≒ 2月15日21時
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撮影機材:ビクセン FL55SS鏡筒、フラットナーHDキット、SXP赤道儀 使用カメラ:Astro6D 露出時間:300秒×16コマ 撮影条件:RAWモード、ISO3200、M-genにて追尾撮影 |
撮影機材:ビクセン FL55SS鏡筒、フラットナーHDキット、SWAT-350 V-spec 使用カメラ:Astro6D 露出時間:180秒露光×16枚 撮影条件:SWAT-350 V-specにてノータッチ追尾 |
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撮影レンズ:シグマ 14mm F1.8 DG HSM レンズ、ソフトフォーカスフィルター使用
使用カメラ:キヤノン EOS5D MarkII 撮影条件:RAWモード、ISO5000、F2.0、60秒露光、流れ星が写った24枚を比較明合成 ポータブル赤道儀 SWAT-350にて追尾撮影 画像処理ソフト:Photoshop CC 2017 撮影場所: 三重県熊野市 |
撮影機材:ミューロン250CRS(レデューサー使用)、ビクセンAXD赤道儀 使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ Astronomik Type2C LRGBフィルター 露出時間:L=15分×8フレーム、RGB=各10分×2フレーム (総露出時間:3時間) 画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015 撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2018年撮影 |
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撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8 撮影カメラ:ニコンD810A 天体撮影専用デジタル一眼レフカメラ 赤道儀:ビクセンSXP赤道儀、ステラショット1.5にて導入・オートガイド追尾 カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1250、RAWモード 露出時間:300秒×10コマ 画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015 撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影 |
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撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8 撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造) 赤道儀:ビクセン SXP赤道儀にて追尾 カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、RAWモード 露出時間:300秒×32コマ 画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015 撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2018年撮影 |
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難易度: 易 ★☆☆☆☆ | 難易度: やや易 ★★☆☆☆ | |
難易度: 並 ★★★☆☆ | 難易度: やや難 ★★★★☆ | 難易度: 難 ★★★★★ |